おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

思い出すだに冬道は

長い髪をバッサリ切ったら

また会いにいくまでのカウントダウン

白い息が嫌でも真冬の合図ね

恥ずかしがらずに

 

誕生日はケーキ2つ並べて

まとめてお祝いしましょ

溜め息の台所にも風を通す

チャンスだもんね

 

いつも残り物をよそう

これでいいからって無言で言ってる

たくさん食べて大きくなあれ

捻ても残る

あなたの気配

 

掛けちがったボタンどころか

一生戻らぬぐしゃぐしゃの

感情持って生きてもまだ

日付に敏感に思い出すもの

 

また会いにいくまでの情は

どうやって保とう

それとも作ろう

 

誕生日は母苦難の日と

知らないわけではないのに

言葉通りそれ以上は

たとえ身をもって知っても

追いつけないな

 

離れれば恋しくなるもの

人の言うほど身には落ちずに

ただただ解放されてゆく

あなたを愛さずに済むのなら

それがいい

 

長い髪は似合わないけど

若いうちが華だからね

好きなようにしておいたがいい

そう言ったあなたの歳に近づき

 

誕生日はケーキ頬張って

ただただ笑っていたいのに

なにかにつけ痛みのある家は

どういう思いで振り返ればいい

 

もう振り返らなくてもいい?

 

掛けちがう前から

掛ける気もなくして

異種の魂がただ落ちただけよ

 

苦に対してあんまりだろうと

一生負う気もないからさ

 

冬道には

ぽつり蝋燭

灯りにも暗がりにも見える