おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

おもいでばなし

ざらつく肌が嫌いでね

季節のせいでもないのなら

風を見ていたバス停で

待っていてもいいですか

 

校舎の向こうは緑の森

つらく当たった人もあり

ただね謝るだけのこと

どうしてできなかったかね

 

船の汽笛も届くのに

広がる野を描いたり

制服似合わない少女

まるで老婆のような聡い

子だからね

 

冷え切った手は

南の町も

変わらず訪れるものだから

そっと撫でて握ってくれたら

一生忘らりょか

 

晴れた空なら得意の節で

いくらでも歌っておくれ

ただね胸がぎゅっとなる

その時に傍にいられるよう

しんどい時は云ってくれ

 

冬も春さえ嫌いでね

夏の香を待つ秋生まれ

なんやかんやと茹だるうち

適当に付けられた名前

 

ざわつく風が呼ぶほうへ

校舎の隅の小窓から

じっと見ていた走る君

思い描いていいですか