大きくほおばった西瓜
いつのまにか店先から消えた
笑顔思い出すなんて
もっと難しいこと
命燃やした空蝉の
鳴かず鳴き
止み朝はまた来た
留まり知らない時の中
また季節に踊らさせて
悔しくも
諸手を上げて讃えよう
信じられるのもあなただけ
冷たく緩やかな川流れ
果物冷やして得た涼を
また覆い被さるように
記憶で消さないよう
抱きしめてくれた人が
そのまま存在を認めてくれたようで
思い出すだに時はただ
記憶とがんじがらめ
苦しくも
白旗あげて跪く
信じざるをえぬこの息吹