水辺をうたった歌が多くて
勝手に馴染みと思ったものよ
だけれど
岩肌 風の厳しさ
思い描きつづけた柔らかとは違って
ますます吸いこまれていったものよ
まるでその土地で生まれたかのように
知った言葉に似た
知らない言葉が
心地よく響く
魔法のような島よ
船が向かう先は
さらに小さな島
逃げ漕ぐ歴史が
他人事とは思えなくて
荒れ狂う波に
追われ小さな聖域に
なんとかなんとか
祈りを捧げたものよ
水辺をうたった歌の多きは
須く繋がっているということかしら
ありきたりの考えでも
その昔 当たり前でなかったことを思えば
追いこまれながら
放たれる祈りを
思えば思えば
胸をふさぐものよ