おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夜街酔い

意地汚い風にさらされて

渋谷は今日も重い帰り道

正反対の遠い島の広告が

憧れよりも蹴飛ばしたい気分

 

まっすぐに歩けない人混み

いつになったら止むのやら

指先は冬でもないのに荒れ

明日はきっと雨

 

鏡に映るときだけは

笑っていようと決めた

二十歳そこそこの頃

それすらかわいく思えた今日

閉じてゆくだけの荒んだ身ね

 

大丈夫、は誰かにあげる

 

甘いもの幾らか買いこんで

夜は長い

耐えようもない

生命線を書き足して

平気な顔して歩くほか

 

スクランブル交差点に紛れて

転けそうでもバレない

誰も知らないよ

 

No Music No Life を背に

静かに散ってゆきましょう

 

大丈夫、はもう誰かにあげる