この世に愛があるという前提の歌が
だいきらいだ
血も恋も
春を見ずに枯れるのを
誰か知らないかしら
心揺するのはいつだって
優しいメロディーじゃない
皆で朽ちてゆけと
また願う
持てぬ者の声はいつも惨めに
街にも風にも見放されて
今生を耐えると決める
また絆があるものだという歌が
流れる街
だいきらいだ
身体も心も蝕まれたあと
残された魂の彷徨う様
誰も知らないところで
這いつくばるような歌がいい
皆で堕ちてゆけと
また願う
低き者の声は絶えず蠢く
街の風にもあてられて
ただ置いてゆかれる
今生を耐えると決める