雨気孕んで此方へ来る
そうね暦はもう皐月
泣けど暮らせど営みは
古くからの伝えに従う
気よ空よ地よと云う
其れなら幾らでも受けよう
されど
ふるさとはあたたかいという
幻想にやられて
今日も沈みこむだけの路
あぁ雨風よ
貴方とだけ話していられたら
人として生まれ
其れは横着なら
せめて人並みのあたたかさを
欲しかっただけなのです
ふるさとはあたたかいという
理想は崩れて
されど
誰かの手にはある
あぁ海風よ
貴方にだけ見せたい顔もあるのです
人の形をして
罰と取る
其れが卑屈なら
せめて人並みの感じなさを
身に落としたいだけなのです