おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

酔って夏夜の夢盛り

夏夜にしては冷ややかな風を飲んでいる

一度上がった熱を癒したい

食べ合わせが悪いのか

いい気分は遠いな

 

ならさ

せめて酔わせて

 

コソコソザワザワやけに響く

通り過ぎたい胸もあり

聞き耳立てたい欲もあり

開け放した窓の外で誰が

はたまた妖の類か

怖いものには近づく質

なんだただのTVの音

 

思い出話を掘り起こすには

同時に病める故郷の

話がついてくるもので

うまく青を風をだけ愛でられぬ

 

まさか

こんな星に居て

 

カサカサコソコソ草も鳴き

あぁ彼方からの便りかと

本当に大切な言質は

光も星でもないもので

静かに届くと聞いたもの

手紙のように形もないから

緑が声を出すように見えて

 

ほらね

もう酔ってしまえば

 

天を仰ぎ

決して希望を歌うことのないように

ただただ風を食むだけの

虚しい命でありましょう

サヤサヤ便りのする夜は

夏に溺れて死に落ちる

 

妖しい夜に手を出して

酔ってお道化て参りましょう