時計の針が遠くなる
あぁ夢見ていた世界だわ
意外に花とか咲いていないものね
まやかしの楽園を作りすぎたわ
旅人の特権だもの
ゆらりとふらりと揺蕩うの
胸詰まりも陰険も過ぎた
苦しみの種はもう過ぎた
返し忘れた本がちらつく
今はいいじゃない
だけど離れない
真面目に生きてゆくことは
時に惨めと似ているもので
花を踏みたくなる気を抑え
自分の心を重くするのよ
生きている証だという
その人はきっと楽なのでしょう
空回りも過ちも飲んだ
何やら分からぬ炭酸に混ぜて
言いそびれたことばかりを
半端に連れて歩くのも
らしく思える旅だもの