おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

西の果て

西の果て

海は青

誰も知らぬほどの青

宿るもよし

ちょいと旅の人も

夕凪は優しいわ

 

都では随分早く

日は昇り沈むらしい

此処は夏などいつまでも昼

焼けてかなわない

 

耐え忍ぶような時代も

あったのね

きっと今もあるのね

 

西の果て

空も青

誰も知らぬほどの青

見上げても

繋がってはいない

夢のない青

 

都では随分柔く

あたたかいと思われている

嵐の贄のかなしさも

関わらぬままならいいじゃない

 

西の果てが果てである所以

どちらが先か知らないけどね

 

西の果て

何処までも青

誰も触れられぬくらいの青

苦しくも美しい

そうあれと願う青

 

西の果て

日は昇り沈む

人も生き

都と同じはずの営みが

どこかで擦れた時空

 

夕凪優しく

信じたくもなる

誰も知らない

西の果て