おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ひと雨積もる

ひと雨ごと冷えゆくことを

もう知っている夏の終わり

焼かれるような熱とどちらがいいか

問われればそれは程々がいい

 

呼吸を紡ぐ

それだけのことが

苦しい人がいること

知っていますか

 

投げやりにならないように

気がけ心がけてきたものの

今になって破れるよう

雨の音にはそんな力がある

 

ひと雨とればしみ入る程度

だけど止まない夏の終わり

心失くして見ているうちに

川も溢れるというものよ

 

愛してくれた者遠く

そう歌える人が

恨めしくもなって

 

蟠りしかないのに

どうやって溶かしてゆこうか

注ぐならいっそ壊すほど

雨にはそんな期待がある

 

呼吸を紡ぐ

それだけのことに

気を身を使って

一生かけてもう

 

ひと雨にやられるのに

求める気にもなるのはそう

誰彼も不幸を負え

雨にはそんな力がある

 

雨の所為にして済まない

呼吸を紡ぐ

それだけのことが

苦しい人がいること

ただそれだけのこと