貧乏な家の子のように
思い描く部屋を紙に書いていた
人よりとても狭くていいの
ため息と鼻歌が自由にできれば
きっと生きてゆけるから
なんて単純な細胞
だって たったそれだけのことが
すごくすごく難しいの
数十年で覚えたこと
ヒマワリとバラくらいしか知らないのに
花を一輪置く絵を描いてみた
自分が何に癒されるのか
知らないから世にすがる
ずっと生きてゆくのなら
綺麗事では済まない
だって たったそれだけのことで
毎瞬毎瞬 怯え倒して
数十年を重ねたもの
四畳ほどの部屋で
思う存分
歌声を上げて
そんなことを描きながら
また下らない日が暮れるだけ
まもなく夜も明けるだろう