おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

凭れる窓に来る波が

人集りの駅は

もうね通り過ぎて

海見るつもりなく

西へ揺られるだけ

 

熱い青春とは

距離を置いていても

窓に凭れる時

恨めしくもなるもの

 

あぁ彼は

息を切らし

走っていた

仲間に囲まれて

 

ひとり見る

惨めさに耐えられず

恋を閉じたこと

 

今になって来るのね

波は寄って来るのね

 

古びた駅ならば

馴染む風が吹いて

海のにおいなんて

西へつながる糧

 

遠い青春には

叶わぬことばかり

思い致してしまう

窓に凭れる時

 

あぁ彼女は

ステージの上

歌っていた

仲間に囲まれて

 

見たくもない

恨めしさに

耳を塞ぎたかったこと

 

今もまだあるのね

胸に波はいるのね

 

このまま突っ切って

生まれ故郷に帰ったとて

 

熱い青春はもう

帰らない代物

閉ざし続けた報いのように

 

今になって来るのね

波は寄って来るのね