おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

散るまでの花火

キャラメルラテの冷たさが残った

帰りついても休まらない心と

どうして渇きが残った

こんなはずじゃ

繰り返して

倒れこんでも針が

耳にうるさいだけ

 

あぁ夏は

駆けまわるためにあるはずだった

海よ木よ

夜空花火よ

恋しがれば夢にでも

 

あぁ夏は

汗かきベソかきの間に

気づけば終えていること

もう知っているでしょ

何十回も

 

残りを数える身になって

いつの間に来たの

怖くなって

項垂れ横目に窓の外

高速の明かりのほか

花火はないか

 

探し始めたら末だとしても

 

あぁ夏は

雨に濡れ乾いてやってくる国だ

明けよ暮れよ

謳歌してのち

虚しさまで美味しく味わって

 

あぁ夏は

蒸せど弱れど愛しいものだ

気づけば終えているそれが

一生に似て

数えるのに使ってしまう

 

記憶と一緒に

思い出していたことも

また思い出す

 

置いてけぼり泣いたこと

花火見る群れに逆流して

息を上げた夜

 

あぁ夏は

行くこと教えるため来るようだ

天よ風よ

思い託しすぎて

惜しくなるのも一興と

 

あぁ夏よ

清らかではない身にも

気づけば終える

針とともに

夜空花火よ

追いすがるように

ぱらぱらと散る