おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

秋の音

これだけ毎日暑ければ

終わる予感もしないでしょう

凌ぎの宵にも蒸すのなら

この世の地獄とすら思えるでしょう

 

だから秋は音を持たない

太古からの決まり事か

そうね秋は声を出さない

知らぬ間にそろりが得意ね

 

仰ぐ手ももう疲れたから

不貞寝を決め込む頃合いでしょう

川蝉惜しむ気も無くしたのか

力なく薄れてゆく音でしょう

 

だから秋に気づきもしない

暦どおり営んでいるのよ

そうね秋を呼びもしない

ただに涼みを求めるだけで

 

気づき始めた人が言ったわ

秋は

秋は音を持たない

 

惜しむより前に

耳を手をほんの少し

其方に向けるのよ

 

だって秋は音を持たない

知らぬ間にそろりが得意ね