おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

恋熱の館

血吸いの物語に絆されたか

また知らずの娘が迷いこむ

足元に気をつけて

歩いているうちは気づかない

影を見ておいて

 

身体の熱があがるころ

それが病か知れぬこと

扉開けたらもう最後

楽に朽ちられる

筈がない

 

まだ美し黒髪の

血巡りよい肌に

息を呑むでしょう

次の一瞬

それは一気にあがる熱

 

まだ知らなかった

朽ちることを知らなかった

恋を煌びやかと思っているうちが

いちばん、あぶないのだから

 

また熱があがる

その目に映るのは

美しの人でしょう

だけれど絆された

目で頭で

本当の姿は見えていない

 

それが病に罹るということ