血吸いの物語に絆されたか
また知らずの娘が迷いこむ
足元に気をつけて
歩いているうちは気づかない
影を見ておいて
身体の熱があがるころ
それが病か知れぬこと
扉開けたらもう最後
楽に朽ちられる
筈がない
まだ美し黒髪の
血巡りよい肌に
息を呑むでしょう
次の一瞬
それは一気にあがる熱
まだ知らなかった
朽ちることを知らなかった
恋を煌びやかと思っているうちが
いちばん、あぶないのだから
また熱があがる
その目に映るのは
美しの人でしょう
だけれど絆された
目で頭で
本当の姿は見えていない
それが病に罹るということ