おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

遠く聞こえる

また便り待ち

時代にそぐわぬ

入り日待ち

 

暮れ終われば

諦めて

飯炊き

やがて床に就く

 

単純な営みが

遠ざかってゆく世に

ただついてゆけぬだけの

言い訳だとして

 

若くありながら

もう暮れてゆくことを知っているから

老婆心が芽生える

 

また便り待ち

どうせ今生の中の

さらにほんのひと時の人と

また相見えたとて

 

然らば

その一瞬のため

暮らしつないでいるとも言える

 

病める時はひとり

その覚悟はあり

強くも見えて

本当の安心床を知らないの

 

遠く聞こえる

ゆりかごの歌が

本当に遠く聞こえる

 

自分のために歌われたことが

ないから

遠く聞こえる