朝を迎えたのは
思い違いだったのか
誰にも話していないから
確かめようがないけど
明かりの灯らぬ部屋を
目で追い疲れてまた
ふらつく自転車で消えてゆくのだ
風邪ひいたみたいね
無理しなくていい
どうせ数十年
暇をつぶして楽しんでよ
なんて呑気なこと言うの
細かい作業で手一杯よ
この日常を
ある星での物語と捉えるには
文明が進みすぎた、かもね
あたたかいスープは
勘違いだったのか
1人で堪えていた涙
勝手に流したから
正常に閉まる窓と
変わらず閉じてゆく街
営みの中に溶け込めないのは
風邪がぶり返したね
無理しなくていい
あと数十年
暇をつぶして遣り過ごしてよ
なんて呑気なこと言うの
妬み嫉みも目一杯の
また日常を
ある星での物語と捉えるには
文明が進みすぎた、かもね
そうじゃないかも、しれないね