彼の意に添うために
歌っていたわけではないのに
気がつけば後の世
メロディーは
讃美と呼ばれていた
私の意などもう
どう思われても良いが
彼は傷ついていないだろうか
本当に望んだことだろうか
後の人は時に勝手である
指を組む教えに添い
疑問も持たず祈ってきた
罪は教えを知るより前に
私の中に存在していた
赦せ赦せ
できうる限り
この実体で
声を嗄らそう
辿れ辿れ
彼が行き着く
先までついてゆけぬとしても
彼の気を引くために
歌ったつもりなどなかったのに
教えられず知った
メロディーは
讃美として知られていた