まっくら町の帰りみちは
とてもとっても怖いのよ
降る星を照る月を
愛でる沙汰ではないものよ
息をついて
膝を折って
蹲ったら最後
涙目
誰にも見咎められぬかわりに
どこまで孤独なものかしら
魂の単位で切り捨てられた
ポイと置かれた気になるね
夜道こころは大ごとよ
まっくら町の帰りみちは
いつだって怖いと寂しいが
うんと襲ってくるものよ
だけどね
まっくら町の夏の終わりには
幾つか花火がぽろぽろと
降って咲いて
見上げれば降って
なんて綺麗なものかしら
明かりのない日を過ごした
甲斐があるというものよ
花火のない今年なんて言うけれど
思い浮かべるほどに
此処に残って離れぬほどのものよ