おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

陽落ち思い起こせば

今ではもう嘘みたいに

遠くの人が旅に来て

なんて綺麗な海でしょうと

真白の橋を渡ってゆくの

 

思い起こすに喜びは

どこにも見当たらないな

置いてかれた帰り道を

僕の一生そのものだと思ってた

 

休み休み

歌うに酔い

誰かの糧になるような

格好のいいことはできずに

ただ最西端に陽は落ちた

 

手を繋いだ親子はもう

それだけで異国の人に見える

なんと遠い景色でしょうと

皮肉るのが精一杯ね

 

思い伝えと冒険の

歌を作って励ましても

置いてかれたそのことが

僕の一生に影を落として

 

夏祭り

歌い踊り

誰も彼もはしゃぐような

海辺に花火上がるころ

ぷつりと切れた胸の勇気が

 

思い起こせば一瞬と

喜びは見当たらないな

置いてかれたそのために

生まれたような気さえしてきて

 

休み休み

歌うに酔い

忘れても覚えててもいいよ

泣きじゃくる気力もないまま

ちゃんと帰ってえらかったね

 

終に愛されることは無しに

ただ最西端に陽は落ちた

頭がぐらついているだけだ

桜並木を思い出すだけで

木枯らしが暖かく思えるとか

413でぼんやりと

本当になるような気がして唱えていた

 

嘘だったけど

 

季節は移ろうわけじゃなく

頭がぐらついているだけだ

どうにかして現実に持ってこないと

死んじゃうんだろな

 

真夏西瓜の時はすぎ

あの味わいが好きだったのにな

ずっと冷やした川流れも

遠くなってしまって気づいた

 

戻れないと

 

時は流れてゆくわけじゃなく

頭がぐらついているだけだ

取り返せない幾つかをこじつけなきゃ

吐きそうなくらい

 

まだ移ろうためではなく

夢に現に現れる風神も

誰かの所為にする時に

受けとめるため在ってくれる

 

季節は移ろうわけじゃなく

頭がぐらついているだけだ

ふと気を抜いたくらいでもう簡単に

死んじゃうんだろな

 

虚しささえ空っぽの幻に

思えて

間違ったまま死んでゆこう

許すということが

正しい人間になるということなら

私は間違ったまま生きて

死んでゆこう

 

暮れの商店街は

顔なじみの賑やかに

弾くように

弾かれるような

気分に浸っただけだった

 

あぁ幸せな温かな家に生まれ

ただ心ゆりかごに

そんな嘘みたいな話が

この世のどこかにあるらしい

 

今さら求めないから

せめてもう胸を病ませないで

 

操られるような幻覚を

神様に持ちたくはないからさ

私は救われぬまま生きて

死んでゆこう

 

踏切わずかな衝動と

まだ見ぬ暮れを遠く見て

閉ざすように

閉ざしてたまるか

希望を見たいと泣き喚く

 

あぁ憂いなき穏やかな心を持ち

たまには誰かの所為にして

そんな精神で生きるなら

どんなに楽かと嘆いても

 

たとえば家の玄関を開けて

ベッドに横たわって

誰も邪魔しない1人でも

何だか縛られているような

 

どこで間違った恨み事

綺麗に生きてはゆけぬから

 

許すということが

正しい人間になるということなら

私は間違ったまま生きて

死んでゆこう

まやかしネオンに堕ちた身は

まやかしネオンが痛く思えた

ポケットから出した手

擦り合わせて温めるよ

 

汚れた街のせいにしよ

こんなはずじゃなかった身を

今さら救いにきてだなんて

虫のいいことは言えないよ

 

日ごと冷えてゆくのはまだ

耐えられる気がするのにな

今この時に堕ちてゆく

露は思いは受け止めきれない

 

まだ弱い人間のまま

ただ飯食らうため

 

馬鹿騒ぎなんてかわいいもんだ

表通りは所詮

見える範囲の荒くれでしょ

 

傷つけた奴のせいにしよ

こんなはずじゃなかった今を

戻すなら壊すなら

幾ら考えても

叶わないよ

 

日ごと消えてゆく記憶ならば

愛でて掬って見送るけれど

今この時も湧き上がる

昨日のように明日のように

 

怯えるための日常か

それでも飯食らうため

 

まやかしネオンの馬鹿野郎

こんなはずじゃなかったのにな

 

日ごと冷えてゆくのはまだ

耐えられる気がするのにな

今この時に堕ちてゆく

露は思いは受け止めきれない

 

まだ弱い人間のまま

ただ飯食らうため

愛をくれる人

時計の針が11時を指した

昼か夜か分からないよ

それは嘘

 

大好きなあなたに会いに行くという

例えば届かなくても

ただ会いに行くという

それだけのことが

どうして出来ない

生まれた時を間違っても

生まれたことが間違いだと

思わなくて済むよう

愛をくれる人

 

寝ぼけたままのほうがいいって

まだ夢に浸っていられるよ

馬鹿でもね

 

誰彼と隙間なく歌う

恋だのの歌に嫌気がさした頃

ただ胸に響く言葉

摑んで離さぬ

時空超えた時

生まれたことを穿って見ても

生まれ生きれば見えてくると

押しつけるでもなく

ただ愛をくれる人

 

聞こえてますか

そう歌うのは

おこがましくも思えたな

あなたの生命なぞるように

そっと生きることができたら

 

大好きなあなたに会いに行くという

それだけのことが出来なくても

移り変わる風のことを

ほんの少し痛く感じて

そんな命もあるものよ

 

生まれた時を間違っても

生まれたことが間違いだと

思わなくて済むよう

愛をくれる人

老婆の有難いお話

さあ合図で病んでごらんなさい

あなたなら出来る筈よ

魔法が都合いいようににだけ

動くと思ったら大間違い

 

ほらもう足竦んでる?

大声で笑ってあげましょ

あなたも所詮、人の子よ

 

貶された途端

すべてを否定された気でいる

可愛らしい女の子ね

簡単に闇に堕ちるものではないわ

最期の手段に

とっておきなさい

 

ダララ

リズムは味方しなくて

1人で首でも吊る準備

どうせ怖気づいて帰っておいで

 

ねえもう覚えてもいない?

体ごと心ごと消したいと

叫んだ日もどうせ消えるよ

 

喜びよりは悲しみを

感じ取るようにできた

細やかな女の子ね

そうすぐに止めるものではないわ

魔法の話に

耳を貸しなさい

 

簡単に闇に堕ちるものではないわ

最期の手段に

とっておきなさい

夢想に生きるなら

帰りの電車でウトウトしてた

もう街は静まって

ただもう少し歩を進めるだけよ

寝たら死ぬぞ

心で叫んで笑う

 

どうしても愛されるようには

できてない身に降る雨と

意地っ張り

神様だより

電池も切れて空見るしか

ないよな

ないよな

手を振って

誰が見送るでもないのにな

 

あんなに痺れた体が今は

変に冴えてさ

夜も更けて

 

どうしても満たされぬように

できている身に染む歌を

嫌いだよ

神様然り

声も擦れて水流れが

遠くて

遠くて

泣きそうだ

誰に伝うでもない胸を

teller

夢ばかり見ていたのでしょう

今が何どきかもわからぬほど

それでいいわ

目覚めたのなら

こっちへおいで

揺すってあげよう

 

空が遠く見えたって

戦士の勘でぐらついたって

どうせ世の多くは

気のせいよ

怖がることないわ

 

夢に堕ちたつもりが現で

戸惑ってもしまうほど

そういうものよ

目覚めたつもりが

夢の中よ

寝かせておこう

 

空は高く晴れたって

その遠くでは雨をはらんで

予感するようにできている

気のせいと

人の言っても

 

過ぎれば一瞬の時がもう

折り重なって喉を締めるでしょう

予感に泣いてしまっても

日付なんて

ただの印よ

こだわることないわ

死の底に暮れ

泣いてもいいと歌う人

それを堪えてなんぼの道

付き従うように神様

信じてみてもいいのです

 

可愛いワンピース着てさ

駆けてく子らの恨めしや

 

死の底見えた床にいて

最早今生と呼べようか

青空が隙間だけでも

見えたから良しとしな

そんな酷なこと言いなさんな

 

暮れにまた悲しみを

増幅させて虚しかろ

こんなはずじゃなかった

神様

神様

 

楽しげな声上げてさ

夕餉待つ町の恨めしや

 

死の底見える人にとり

明けも暮れもないものを

夜空の気配がしただけで

連れてかれるような気になって

 

死の底見えた床にいて

最早今生と呼べようか

青い季節に見た境

あぁこれかと冷静に追い

あんま悲しいこと思いなさんな

日常を重ねたから

庭に気持ちを置いてきた

髪を切ったこと黙ってた

安く上がっていいじゃない

暮れに光もいらないし

 

手紙を書くだけ書いて

ユニフォーム捨てたふりして

冷たいお茶にしましょ

洗濯途中で泣いてた

 

振り返ることができるのは

今年を生きてきたからよ

綺麗事を並べてくれる

ありがとう

優しいのね

 

上手に話せているかしら

心は隠せているかしら

前向きを馬鹿にするわりに

5時の鐘には泣いている

 

意地汚くも生きてるわ

それを卑しいと思っても

止まないようにできていて

缶コーヒーでも頂こうかしら

ありがとう

優しいから