おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

陽落ち思い起こせば

今ではもう嘘みたいに

遠くの人が旅に来て

なんて綺麗な海でしょうと

真白の橋を渡ってゆくの

 

思い起こすに喜びは

どこにも見当たらないな

置いてかれた帰り道を

僕の一生そのものだと思ってた

 

休み休み

歌うに酔い

誰かの糧になるような

格好のいいことはできずに

ただ最西端に陽は落ちた

 

手を繋いだ親子はもう

それだけで異国の人に見える

なんと遠い景色でしょうと

皮肉るのが精一杯ね

 

思い伝えと冒険の

歌を作って励ましても

置いてかれたそのことが

僕の一生に影を落として

 

夏祭り

歌い踊り

誰も彼もはしゃぐような

海辺に花火上がるころ

ぷつりと切れた胸の勇気が

 

思い起こせば一瞬と

喜びは見当たらないな

置いてかれたそのために

生まれたような気さえしてきて

 

休み休み

歌うに酔い

忘れても覚えててもいいよ

泣きじゃくる気力もないまま

ちゃんと帰ってえらかったね

 

終に愛されることは無しに

ただ最西端に陽は落ちた