本当は一生のうちに一度でも
誰かと心通わすことができたなら
それだけで万々歳のはずの地に
どこで勘違いしてしまったか
来い来い
夏の盛りは縁飾り
行け行け
安らかに
思い出させておくれ
できればそばに来ておくれ
そんな念が
飛び交う飛び交う
かみさまもいそがしい
夏の盛りは川流し
一つの思い出にすがり生きるには
およそ一生は長く感じられ
何事も成せぬ弱い身体が
生き延びたことを恨むなり
それでも時節になれば
来い来い
夏の盛りは壇飾り
行け行け
安らかに