おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

波音は夏待たず

未来を捨てて

貴方も振り切って

町を出たのに

 

青春も忘れて

手紙も焼いて

帰らぬと決めたのに

 

まだ夏も見えぬうちから

耳に脳に

波の音がザっと

来る来る

 

緩やかな浜辺ではなく

もっと酷なほど

沈みこまれるのかと怯えるほど

波音は夏待たず

 

親の言葉は早くに振り切って

好きな息吹も嫌いな振りで

最後の砦

貴方の恋も

かなぐり捨ててきたのに

 

波の音がザっと

来る来る

 

夏の初めの

ほんの少しの

空気が空気が

来ただけだというのにね