おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

生まれ月の残酷

生まれ月の残酷

お気に召さない世間の彼是と

人間の振りをして

振り切って

振り切ってゆく

 

時に破れるなら

恋のほうがマシさ

生き返れないほどの

自己肯定感とか

 

取り返しのつかない

生まれたことが残酷

お気に入りの帽子を

買った日に無くした

残念無念の幼子

 

時を振り返る時

確実に終わりは来る

さびれてもゆく

こころも身も

 

冷え込むならそっと

そっとがいいわ

唱えつづけたけれど

押し迫る静かな闇のようだと

それはそれで恐怖ね

 

生まれ月の残酷

後悔も受け付けない命のくせ

見舞わないのは罪ですか

 

振り切れない彼女の

器用ではないからこその

嫌いにならせてくれない

罪悪感植えつける手紙

 

生まれたことが残酷

そう思わせる暮れ

たとえば私はまだ若いけれど

 

二十歳そこらで

振り返りもする

前世合わせれば

親よりうーんと生きている

 

今回は此方ね

生まれつきの残酷

沖に出るまで気づかなかった

波のようだ

 

きれいに例えるのは止めにしましょうよ

ただに残酷

生きるだけで