おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

秋口の祭り日

人酔いの街を出て

カラコロと細道を

裾引かぬように歩きます

貴方そろそろ来るかしら

 

祭りの音 離れゆく

少し息の上がる早足

鞦韆が揺れている

草木の向こうに見える

 

もう手を取って歩くことが

何時ぶりになってしまったの

どんな話をしていたかしら

もっと幼かったころは

 

浜に沿う道の端

囃子は此処からもう遠くへ

貴方だけ見ていても

誰に咎められることもないかしら

 

冷え始めの気をいつも

感じ取って弱る人だから

今日くらい何も考えずに

少し歩いていましょう

 

もうすぐ戻る 祭りの音

いずれ街を出てゆく貴方と

私は何処へゆくかしら

季節に耐えられたとしても

 

人酔いの街にはもう

用もない2人です

踏みしめても噛みしめても

悲しい哉 明日がくる