おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

美しい人のいたことを

枯れる前に散った

牌しか知らぬ人だけれど

古い写真に見た

とても美しい人

 

母の悲しみも

兄の怒りも

娘の寂しさも

伝う理不尽も

 

貴女自身を知らないのに

残された者たちの

機能不全に感ずるところ

 

供えはいつも好いたもの

駆ける言葉は意外とやわらか

端から見るだけの者には

異様にも思えた

経験がなかったから

 

幼心に

写真の貴女に

すっと惹かれたものでした

少し怖くもありました

 

枯れることのなかったから

良しとする人が

いるだろうか

 

菓子を持ち

手を合わせ

それくらいのことしか

私には

 

駆ける言葉も

知らぬ者からは

何にも持ち合わせず

 

ただただ残された者たちを見て

儘ならぬを知る

それだけでした