おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

心の隙間にあるものは

心はどこにあるのかと問われた

何の授業だったか

それはもう胸の辺りだろうと

当然だと思っていたが

 

脳があるから

答えは頭ですと

教師ははっきりと言った

 

知らなかった

そもそも答えがあるものなのか

 

私はどうしても

胸から喉からこみあげるものに

支配されて生きているものだから

そりゃないだろうと

幼いながらに思ったものだ

 

この時の主人公の心情はと

1から4の中から選べと言われた

皆で答え合わせをして

私だけ的外れなものを選択していると

 

笑われるのも心外だったし

何より

どれでも当てはまるような

どれもぴたっとは当てはまらぬような

 

人の書いた文章に

いくら脈があろうと

奥底まで勝手に量るものなのかと

納得がいかなかった

 

確かな答えを求めるわりに

何を言われても100では受け入れない

天邪鬼が少女を覆っていた

それは今でも変わらない

 

世は問いでも答えでもないと

言ってしまえば元も子もないが

形式の中にいるからには

多少の隙間は目を瞑り

そっと堪えてゆくものなのだろう