おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

空見人

潤んでゆく空を黙って見ているだけだ

降りくるならどうぞ

止める権利も力もない

 

温かい日を見ていた気がするだけだ

覚めてしまえば夢

現実だとて疑い続ける

 

どうしてもどうしても

儘ならぬ世だと

嘆く方へ嘆く方へ

思考は進んでゆくばかり

 

果たして

辿り着けるだろうか

彼が描き示した楽園へ

こんな体たらくでは

身一つ生き延び終えるだけで

精一杯だろう

 

潤んでゆく空を黙って見ていた

気がしただけだった