おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

片恋が沁み入るまで

いいのよ

片恋は酒のように

身体に沁みてゆく時が

いちばん気分良くなるんだから

勝手に憐れむのはやめてね

 

動悸がしないように

わざと目を逸らすから

放っておいて

そう言いながらほんの少しだけ

見ていてほしい気分になったり

 

面倒くささは幼子のようね

いつになったら大人の女を

名乗れるかしら

不器用だけじゃ

進まず日一日終わること

何十年もかけて知ったはずなのに

 

少しばかり風邪気味かしら

バスをなんとか降りたこと

相変わらずけたたまし3号線

口に入れなければと彼是買い溜めて

じっと眠った日を思い出している

 

堕ちる時にはあなたの声が

夢か想像か聞こえてくるわ

恥ずかしいほど

片恋が沁みてゆく

苦しさに酔う馬鹿な女ね

 

ひたむきはもう遠いけれど

息切らして走る日に似て

不格好のまま私を伝えにいく

顔覆うくらい恥ずかしい言葉で

 

片恋はそれでいいのよ