おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

苦に於ける神への心

まるで決めごとのように

違うことなくめぐる季のように

さぁ苦を与えよと神が

律儀に命じているのか

 

そう言えば彼は言う

思い上がるな

神がお前などに

 

掛ける時間もないものを

誰と思っているのか己を

 

信心深く生まれ生きたわけでは

決してないのだけれど

時に人の叡智を超えた

摩訶不思議を見ることも

 

幸福を祈る者があるように

不幸を恨む者もあるのです

このほんの小さな身で処理できぬことは

貴方の所為にしたくなるのです

 

自分がいちばん不幸だと

浸る幼子の時期を過ぎて

優に大人になってまで

その気が消えていないのだから

 

まるで決めごとのように

獣に飯を喰わすように

さぁ苦の時間だと神が

私を痛めつけるのか

 

祈りの島に生れながら

正しい見上げ方を教わっていないのです

天地の息吹を浴びながら

人の陰険にばかり晒されて

 

捻くれてしまったと

一言で済ませるには

もう優に子供でなくなってしまって

その気が引き続くものだから

 

まるで決めごとのように

日常を送るだけなのに

さぁ苦が来るぞと構える

ほらまた来たぞと塞ぎ込む

 

幸福に縋る者があるように

不幸を呑む者もあるのです

正しい祈り方を知らぬから

ぼやけた神に理不尽を

訴えかけたくなるのです