何も生まれぬ憎しみの上
また電話が鳴り響いた
取っても取らなくても
後悔を与えるような
予感の子
どうして
普通に産まれて生きることが
幸福でなくてもゆっくり死ぬことが
遠ざかる
遠ざかる
思い描けば露に消えるなら
諦めたくもなるものよ
最初から不幸なのだと
優しい夜を過ごせましたか
なんら特別なことはない
ないことが幸せなら
心の安寧など
さよなら
どうしてベルに怯えたあとは
動悸がやまないようにできて
近づいて
近づいて
心臓抉るくらいなら
知らずに露となりたかったよ
夢も現の
予感の子