春は
呼ばれそう高らかに
匂い増してくるわ
誰も彼も愛すその気を
謳歌して惜しまれて
片や
冬はもう耐えるだけ
辛いものだと思われて
早く過ぎるよう手を合わせ
結ばれやがて風に飛ぶでしょう
その気も削がれても
まだ居るための日を
誰かが愛でたなら
居心地も少しくいいでしょに
そんなところばかりに目が向く
昏くて結構
そういう者が幾らか
世に落ち生きている
それだけのことでしょう
冬よ
疎まれて生き延びる
早く過ぎてと祈りは満ち
幾つも追い払う邪念と苦
それを吞むように生きましょう
やがて明けるころ
必ずや惜しみ
また来る日を祈るわ