おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

記憶は降り積もる

日付から何から丁寧に

憶えてしまう癖がある

誰がどんな表情で

何を言ったか

纏う空気も

 

感じ取る力だけで

限界が来るほどなのに

それを留めおいて

また思い返すこともするから

 

難儀なもんね

 

むかし病という言葉を

嫌う私に言ったのは

ただそういう症状があって

生きてゆけるならそれでよし

生きにくいなら取り除いていきましょう

何か名前の付く病ではなくて

ただそういうものなのだと

彼女は言ったのよ

 

少しずつ少しずつ

わかってはきたけど

同時に降り積もる

記憶と思い返しが

今この時も

まだ積もる

 

星座をつないで愛でようなんて

ほんとはそんなこと

これっぽっちも思ってないのよ

 

あたたかでやわらかな言葉紡げば

人として正しい心つくれば

少なくとも平静を装っていられるかしら

そんな邪念に満ちた

海も好きで星も好きで

 

掴みそこねた

この世の安心を託しているだけ

わからないものよ遠いものよ

宇宙や海が1番手っ取り早くて

擦りつけられる

 

おやすみおやすみ

今日も降り積もる

夢に堕ち目覚めても

まだ降り積もる