おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ことだま

言霊だけは信じることにしてる

もういいよ

ふわり光の

呼ぶなら呼ぶほうへ

聞こえぬなら感じたほうへ

ぐらつくだけ

 

夏影に

息も殺して

明日会う約束を今日忘れる

汗まみれの

帰り着いた部屋もまた

ひとりの寝床

 

軽はずみ

生きてゆけるなんて

言うもんじゃなかった

けどね

言ってしまったからには

 

言霊だけは信じられる気がする

もういいよ

ほたる並木を

すり抜けていったのを

見ないふりして

護ることもできる

 

夏空にやられたのね

看板だけになった店の

甘いにおいを憶えてしまった

大人になれないはずだこれじゃ

 

気の迷い

生きてゆけないって

言ってたのにいることから

もう

奥底にある思いを継ぐ

 

言霊の向こう側を信じてる

もういいよ

強く生きるより

そっと灯すあかりのよう

いられたなら

 

言霊だけは裏切らない気がする

我思うも

不確かな街で

呼ぶなら呼ぶほうへ

聞こえぬなら感じたほうへ

 

神の意に沿うかどうかは

どうせわからぬ街だもの

言霊だけを信じて生きることにする