おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

逆さめぐり、坂の町

時はいつも逆さめぐり

坂の町を後にするのは

思っていたより遠いもの

慣れたならもう清きもの

 

一段、一段

息を切らして

踏みしめたあなたの

小さな背に

 

追いつくことはできないか

順に生き、順に死んでゆくもの

たまに賺して逆さめぐり

月も近づく段の上

 

時を呼べば遠ざかり

臍曲がりと自分を棚の上

果物持って暮れを訪ねる

戸の前 声は高く呼ぶ

 

一段、一段

確かめながら

歩くあなたが

作る景色に

 

追いすがるよう十字携え

共に生き、共に死ぬなど

叶いそうで叶わぬように

できているのかもしれないと

 

時はいつも逆さめぐり

坂の町を後にしてから

 

追いつくことはできないか

順に生き、順に死んでゆくもの

たまに賺して逆さめぐり

月も近づく段の上

 

やれ、と大らか

逆さめぐり