おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

賢い振りだけして

一歩引いて見ていた

夕方のラッシュを

1本やりすごして

 

押し込まれてゆく

運ばれてゆく

そんな者に

自分も4分後なるくせに

 

歌で聞いていた道玄坂

想像と全く違ったな

夢を持ってきたわけじゃない

だからかな

 

街は何の色も持たない

冷たい都会、ですらない

 

揺り起こしているのが

ついさっきか数年前か

どちらともつかぬほど

耄碌したか

 

ぐっと堪えて

堪えた先に

愛が待つのは

遠い誰かの話に思えてさ

 

ラジオで聞いていたスペイン坂

どこからどこまでか分からないな

基本はいつだって迷子

だからかな

 

思い出すだに

町は恋しさを孕まない

恨めしい田舎、ですらない

 

何も成せぬまま死ぬことよりも

何も成せぬと思いながら

生きてゆくほうが何倍も

苦しいことに思えるね

 

こんなことを考えること自体も

 

夢を持ってきていれば

少しは違っていただろうか

何なら冷たい都会に弾かれて

ボロボロにしてでももらえれば

 

生きたことになっただろうか