盆には海に近づくなと
幾らいわれても曳かれるの
あなた 坂を下った先
待っている気がするからね
旅人はもういないみたい
子どもたちも帰ったかな
2人きりだと思うと尚のこと
いくら拒んでも曳かれるの
いけないことなら一緒にしましょ
だいじょうぶ 波音は宵に向けて
強く強くなってゆくわ
盆にしては海が凪だと
こころ向こう岸まで惹かれるの
あなた 笑った横顔はそのまま
恋しがる私もあの日のまま
太陽はもうさようならね
月も星も静かに居るだけ
2人並んでいることが
幻のように思えるのは
生きても向こうでも同じでしょ
肌の触れ合う感覚があれば
だいじょうぶ 波音に溶けてゆけるわ
世界で一番大切だと
思ったんだもの
世界よりも
盆には海に近づくなと
言った昔の人は知っているの?
恋しがる気持ちだけで
飄々と飛び越えてゆける境目
いけないことなら一緒にしましょ
だいじょうぶ 波音は宵に向けて
2人を掻き消してゆくから