おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

海待ち

盆には海に近づくなと

幾らいわれても曳かれるの

あなた 坂を下った先

待っている気がするからね

 

旅人はもういないみたい

子どもたちも帰ったかな

2人きりだと思うと尚のこと

いくら拒んでも曳かれるの

 

いけないことなら一緒にしましょ

だいじょうぶ 波音は宵に向けて

強く強くなってゆくわ

 

盆にしては海が凪だと

こころ向こう岸まで惹かれるの

あなた 笑った横顔はそのまま

恋しがる私もあの日のまま

 

太陽はもうさようならね

月も星も静かに居るだけ

2人並んでいることが

幻のように思えるのは

 

生きても向こうでも同じでしょ

 

肌の触れ合う感覚があれば

だいじょうぶ 波音に溶けてゆけるわ

世界で一番大切だと

 

思ったんだもの

世界よりも

 

盆には海に近づくなと

言った昔の人は知っているの?

恋しがる気持ちだけで

飄々と飛び越えてゆける境目

 

いけないことなら一緒にしましょ

だいじょうぶ 波音は宵に向けて

2人を掻き消してゆくから