その背に追いつきたかった
悔しさを見たくなかった
解放されたつもりで
煩いはないけれど
夢見はいつも海
君を見ていた海
ただただ生きてゆくことが
難いと知りすぎた若いころ
どうして生きてゆくことが
罪だと思った幼いころ
ひとすじ光のように
君を見ていた
風も波も背景に過ぎない
君を見ていた
その手に引かれることは
女だから
若いから
できたことだけれど
その背に追いつきたかった
共に歩んでいるのだと
思えれば生きているのだと
思えたと信じていたの
どうせ
どちらにしても
思いだす海
君を見ていた海