おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

君待ちの渚

そんなつもりがなくっても

坂下る癖

君待ちの

 

遠いチャイムが来る渚

時を知るには十分の

記憶と経験を持ったのさ

 

行き違いの

怖いには

生きることも含まれる

 

明日、明日

会えるかなを

繰り返したその先に

 

あっさり消えた人

潮香忘れた人

むかし噺があったような

 

どうせ来ずを

待つ人になる

今日も今日も

君酔いの暮れ

 

そんなつもりはないからさ

言い聞かすくせ

君待ちの

 

いちど手に触れてしまったら

分からなくなるその先の

記憶や経験だったのか

 

足取られの

引き摺りは

生き方にも表れる

 

明日、明日

叶う恋を

夢見つづけてた矢先に

 

すっと途絶えた人

貝がら捨てた人

むかし噺に倣うまでもなく

 

幾らでもいる

待ち人になる

今日も今日も

君 宵になし

 

行き違いを

つづけたら

生きる枷が増えること

 

知っても、知っても

叶う恋を

描いてしまう

夢見夢子の

 

焦がれた思い人

海背に向けた人

むかし噺に己がなってゆく

 

苦し紛れの詩

君待ちの渚