生きてゆけるという実感を
求めつづけた
夕刻の
皐月の風にいるだけで
思いこみたかった
生きていていいという許しを
求めつづけた
思春の
校舎を後にするだけで
責められている気もして
あしたには
上向かないまでも
呪いがとけていないかな
念じても
取り繕って
祈りのまねごとも
虚しく淡く消える宵
生きてゆけるという実感を
生きていていいという許しを
だれかがくれたら
自分で思えたら
こんなことにはならなかった
あしたには
消えるかもしれなくても
案外嫌につづくから