歩道橋をゆっくりと
渡って初めての道
地図なんて見ない
当てにもしてないから
あぁ花街は意外と急に現れる
慣れた道にこんなところで繋がる
試合帰りの人にも飲まれて
何にも収穫のない歩きを
続ければ
外に出たことにはなるから
子どものころに思ってた理想には
何ひとつなれていないけれど
生まれた町を出てよかった
せめて世界が広いことを知られてよかった
物理的な広がりではなくて
知らない街があるということを
知れば大丈夫
あとは持ち前の
妄想でいくらでもどうとでもなる
弱いなら弱いなりに
ふらつきながらも歩くさ