笑われてばかりの町を出たから
とぼとぼ歩きも
溶ける消える
誰も後ろ指差さない代わり
僕の身体は見えていないかも
聞き覚えある異国の歌が
漏れ出る酒場に引き込まれても
入り方も
入っていいかも
知らないから
通りすがりさ
親の町人の
圧がない代わり
例えば倒れることもできない身だ
弱い身体は引き摺ってでも
連れて行かなきゃいけない
自分で
口ずさみたい異国の歌は
節だけ乗って言葉の知れない
戻り方も
戻っていいかも
不確かな道
とうに溺れて