おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

闇がくるまでの話

夜半、安心に変わる

あぁよかった

また変な時間に眠ったおかげで

恐ろしい暮れをやり過ごせた

今日は感じもしないまま

いつの間にか過ぎてくれた

 

夜に押しつぶされそうなんて

笑っちゃいそうよ

なんにも怖くないじゃない

闇に入ってしまえば優しいものよ

 

暮れの怖さを、

暮れの怖さを、

知らないんでしょう?

だから夜に怯えるなんて

ぬるいことが言えるのよ

 

異国の歌を流しているの

夜中、それはどこまでも胸に入る

比べるには違いがすぎるけど

5時の夕焼け小焼けからすれば

いつだってやわらかく響くわ

 

闇が怖いだなんて

とってつけた呪文よ

真の惑い道は黒じゃない

グラデーションの中にあるものよ

 

暮れの灰色、

鮮やか赤も、

ぼやけて誘う

だから気づきもしないまま

連れて行かれるのよ

 

否、なんなら自ずから向かうのよ

 

浮世で1番の恐怖を

まだ来ぬと気を抜いて

その歩を自分で進めていると

勘違いしているうちに

 

暮れの残虐、

手並みの鮮やか、

ついて行くのも一興だって?

冗談じゃない

確かに持って心を

 

やがて夜半に

安心が来るわ

それは漆黒、

優しい闇