おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

或る教え

たとえば

心が通じていなくても

話のすっと通る人

振る舞いで思慮を得られる人

 

同じ世界にいるような

錯覚を持ってしまって

 

この世の苦しさ惨めさと

ほんの少しの理解共感を

相反するものとして

共通敵のように思いこんだ

 

幼子が大人になるころに

誰かがちゃんと聞いてあげていないと

 

それを求めてしまって

恋と取り違えることまであって

 

あんなもの大体が勘違いの熱なのだけれど

それでも重症になることが多くて

 

分かりあいたい

分かってほしいが

度を越すと危ないけれど

越したことにも気づかない

 

俗世間を絶つと言って

それでも人と話したいと

此方の都合で擦り寄ることは

大概うまくは運ばない

 

たまに運よく出会えた人が

話の分かる者だったとて

淡い熱ならまだしも

求めすぎてはいけないものよ

 

そうやって

勘違いしないように

違う星に焦がれないように

気掛けてゆきなさい