おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

歌の子

大声で歌いながら

君は自転車で

真昼の3号線駆けていった

見間違いかと思ったよ

 

気にも留めてなかった

素朴なニコニコした子でさ

全然タイプじゃないからね

ちゃんと話したこともなくて

 

何が悲しんだろ

夕日にあてられることなんて

もう慣れっこで

人の輪を隅から見てる

それも僕らしいと思っていたのに

 

目で追うようになったのも

たまにふと苦しそにしてるのも

皆に愛されて気づかないのも

君でいっぱいになってゆくのも

 

こんなはずじゃなかった

ことばかりだ

 

また君は今日も自転車で

高速の横

うちへ帰ってゆく

 

なんで泣きながら歌ってんだ

いよいよ気になるも越えてきた

しずまれしずまれ

 

少し話した感じだと

明るくしてるけれど

あぁ抱えたものがあるんだと

分かってきたから

 

どうしたら近づけるんだろ

距離じゃなくて

君の苦しみに

 

除けることできなくても

話聞くことくらいはできるのにな

したいのにな

 

こちらのモヤモヤお構いなしに

気づいたら

君はまた自転車で

空気わるい3号線駆けていった

 

歌いながら