おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

大人になった迷い子

景色の悪いベランダと

電車の見える窓を開けて

一気に風が通ったから

あぁこんな街に住んでいたんだなって

 

行く先行く先

幸せよりも

苦痛のないこと願うばかり

行く先行く先

旅先のようで

たまに帰る故郷さえ

 

置いてけぼりのような気持ちは何だ

生まれてこのかた染みている

やれ思春期だ何だって

言うには少し大人になった

 

言い訳のきかない迷い子

悪い気も良い気も受ける

 

また夏の果が店先並ぶ頃には

皆こころ浮かせて

沈み込まされた気分になるの

慣れっこ 役割

言い聞かせても

 

行く先行く先

弾かれるよな

心の儘が許されぬよな

行く先行く先

罪人のように

たまに帰る故郷はなお

 

置いてけぼりも思いこみかな

そもそも連れてきてももらってないかな

袖を掴むには

憚られる大人になった

 

きっと死ぬ瞬間まで迷い子

分かって生きてゆくのも辛いな

言い訳の聞かない迷い子

悪い気も良い気も受ける