おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

月凪待ち

月並み

貴方は易くなく

触れたと思った手の腹に

ひとつの熱もないんだもの

 

此方が咎められたかと思ったわ

生き死に自在の浮き世から

追い出されるかと思ったわ

 

星降り

貴方は見え隠れ

聞こえたはずだに魂は

彷徨う音すら消すんだもの

 

海鳴り

貴方は遠ざかる

此方の気が触れたかと思ったわ

誰にも云えぬ性分だもの

 

唯々生きていたいと思ったわ

貴方の在り無しを語る人々

横目に置いて偉そうに

 

在り確と

決まっているでしょと

仰ぎ仰ぎ風起こしの扇子持ち

 

凪待ち

貴方は静を以て

存在を教えることのある

移ろう陰すら無いんだもの