肌は白く透き通り
草原を行く様は
この世界には似つかわしくない
女神かと思った
まだ許されぬ時代だった
手を添えたかった暮れ時の
行き場なき思いは
まだに居残る
外来の物だろうか
見慣れぬひらひらとした召し物
彼女を湛えるために
風は旅しているのか
まだ許されぬ時代だった
後追いたかった去り際の
背も髪も焼き付き
まだに居残る
時は目まぐるしく行く中で
それに巻き込まれてゆく僕で
ふと思い起こし
そっと近づく
言葉を交わせるだろうか今なら
許されぬ時代だった
手を添えたかった暮れ時の
行き場なき思いは
まだに居残る
背を向け走り出した
彼女の腕に触れ引き留める
そんな夢想の中に居る