おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

許されざる者

花時計は風受けても

扉は開かず

冒険譚の末に辿り着いたのが

こんな海辺とは

 

湿った空気も

投げられる言葉の

苦しさも

吹き飛ばさんと

無理やりにでも

世は美しいと

締めさせようとする

意気地がね

 

白い大橋

隣の島へ

水の光は太陽の声

 

生きて生きて

その先に

何があるでもないことを

悟ってもまだ

生きて生きて

 

見知った人が通りゆくのは

気まずくもあり

故郷ともいう

 

耳に残る煩わしさを

越えてくる平気で

潮の香り

 

泣いてたまるか

いつの間にか

許されざる者

身を縮こめた

 

ここで息をすれば戻れるか

いつに?そうか

生きて生きて

輝き焦がれる時などなかった

 

暮れの小舟に連れてゆけと

無理矢理でも祈りの通る

島で花時計は風受けても

黙して扉は開かず

 

生きて生きて

疲れ果てても

この身ごとか

魂だけかが

何れ海辺に帰るのだろう